【BL】俺がお前にできること
それなのに、どうして捨てられないのかな。
どうしてムダだった時間を愛おしいと思うのかな。
「……ふは、郁馬、顔こわいー」
「そうさせたのは、お前だろ」
「俺が行くよりも鈴が行った方が、いいと思ったんだ。どうだった?お前の想いは報われた?」
俺は報われないけどね。
「……やっぱり翔太がすーちゃん呼んだんだな。今はすーちゃんのことじゃなくて、お前のことが知りたいんだ」
ここが教室のど真ん中で
静かに言い合っているものの、時々ちらちら見られる視線に俺が耐えられなくなった。
だから、ガタッと立ち上がって教室でて
廊下を歩き出す。
そのあとを郁馬も着いてきた。
あぁー視界がぼやける。涙かな。
でも、今はいつもより冷静に物事、考えられてる気がする。
だから、もう悲しくなんてない、はずだ。
「翔太答えて。知りたい、お前のこと」
そう言われて後ろを振り向くと、真剣な顔して
俺の大好きな人が俺を見ていた。
「知ってどうすんの?」