【BL】俺がお前にできること





いじめはなくなった。
君が僕を助けてくれた日から。


その日から、毎日が特別に変わっていった。




「ヒ、ヒナ……っ!」



ゆっくりと屋上の扉をあけて
ヒナしかいないこと確認して大きな声で呼ぶ。


すると、君は手をひらひら振って綺麗な顔で笑っていた。





「やっほー、弥生ちゃん」



「あの、数学おしえて、ください…」



自分でも頬が熱くなるのが分かる。

それでも隠そうとせず、ヒナをまっすぐと見上げて
ばれたって構わないって思いだった。



―――……僕がヒナを大好きだって。




「……弥生? 敬語も禁止だって言わなかったー?」



「あっ……でもヒナはやっぱり先輩だから」




「だーめ。タメで話さないと、口聞かないよ」




「……っ、おしえて?数学」




「可愛い。顔真っ赤。でもお仕置きするね」





お仕置きとか言うけれど、いつもするように
僕をヒナの足の間に座らせて、後ろから抱き締めた。


そして、いつものように
僕の髪に顔を埋めるんだ。





これは、4年前の大切な僕の記憶。




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