【BL】俺がお前にできること





「いーい?ここでXの値が分かって、そんで面積の公式に当てはめると…答え出るでしょ?」



「…ほんとだっ!!」



ヒナの教え方は神だ。

先生に何度も教えてもらったことが、たったの5分で分かるだなんて。



ノートにヒナがさっき言ってくれたことをメモっていたら、ちゅっと頬に柔らかいものが触れた。



「……っ!? ヒナ///」



急に何してるの、この人!!



「数学教えたんだから、その報酬もらったっていいだろ?タダ働きはしない主義なんで」


「そ、それでも、そーいうのは…」




「そーいうのは、なに?」




ヒナはどうして、こうも僕に言わせようとするのだろう。


何か意味があるのかな。
もしかしたら、僕からの告白を待ってる…とか?




きーんこーんかーんこーん。



そんなとき、五時間目の終わりを知らせるチャイムが鳴り響いた。


…早いなあ……



「…早いね、もう少し弥生ちゃんといたかったな」



「え?…ぁ、僕も…もう少し一緒に、いたかった…よ?」



まさかヒナも僕と同じこと考えてるだなんて思わなかった。



「弥生ちゃん、かわい。いっそのこと連れて帰りたいよ」


「ふぇっ!?」



「ははっ、冗談だよ、じょーだん」




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