【BL】俺がお前にできること
固まる僕に剛先輩は、さらに言葉を続けた。
「弥生がアイツを好きなことにどうこう言うつもりはない。けど、俺は……応援はしない」
「…どうして?」
「今に分かるさ。でも傷付きたくねえなら、アイツのことは忘れろ」
忘れろ?
どうして、そこまで言われなきゃならないんだ…
そんなこと言われたって
もう…
「それでも僕は陽向先輩が、好きです」
「…あっそ……」
トイレを済ませ手を洗うと、剛先輩はさっと僕の横を通りすぎて行った。
そして
「お前は何もわかってない」と告げていった。
その言葉は何に対してのことなのだろうか。
ヒナの気持ち?
僕の気持ち?
きっと、前者である。そう分かっていながら
真実を知るのが恐くて……自分の思考を停止させた。