【BL】俺がお前にできること
優しく。だけど力強く。
その人は弥生を後ろから抱き締めた。
「弥生ちゃん」
「…っ! ちょっとヒナ、…先輩!」
あ、弥生と陽向さんの身長差がありすぎて、弥生の足が浮いた。
ばたばたと。足をばたつかせて陽向さんの顔を睨む弥生。
それを見て笑ってる陽向さんは楽しそうだなあって思った。
愛されてるなー、弥生。
「ははっ、弥生ちゃん必死すぎ(笑)力で俺に勝てるわけないでしょ……剛、どうした?」
「何がだよ」
「…まぁ、いーや。あんまり触んないでほしいなー。そのための“マーキング”なんだし?」
「はいはい。やっぱりお前か…アホらし。俺は狙ってるヤツいるっての」
そう言って俺の方を見た剛さん。
だからパッと、目線から逃れた。
「…ふーん。脈はなさそうだけど、がんばれ」
「そうだな〜本気になろうかな」
え、今までの本気じゃなかったの?
トイレのことで本気じゃなかったら、今後が怖いんだけど。