【BL】俺がお前にできること



ビクリと肩が震えたけれど、俺に向ける眼差しとか他の人に向ける態度だとか見ていると……なんだか自分みたいだなって思った。



あぁ…もしかして……と、小さく笑う。



この人は、剛さんは不器用だな。




そんなこと考えてたらバスケ部の練習も終わって、弥生も陽向さんもいなくなってた。



「…剛さん、俺」


「翔太くん…?」




首を傾げて俺を見る剛さんに何て言えばいいのか分かんなくて、それでも言葉を紡ごうとしたら「ごめん」って言われた。



…ごめん?


「な、にがですか?」


「ごめん、トイレでのこと悪かった……なんて思ってないから」



「…そっちですか」


トイレでのこと謝るのかと思ったし。
つか、謝ってほしいし。



そんな話をしているときに郁馬は、俺と剛さんの間に入って「コイツに今度何かしたら、俺、あなたに何するか分かりません」って俺を抱きしめて宣言した。

うわ、かっこい。
やっぱ一番、郁馬が男前だ…。




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