【BL】俺がお前にできること
まだまだ全然
消えていないじゃないか。
じゃあ、真杉が
僕にキスしてくれたら忘れられるのかな。
真杉がヒナの代わりになるのかな。
嘘つきなヒナよりも本気の真杉の方が
僕は幸せになれるのかな。
そう思って目を閉じた。試したかった。
それでも怖いし
ヒナじゃないと考えると涙がでる。
ばっかみたい。
「真杉、そこまでにしとけ」
唇が触れる前に
落ち着いた声が僕の耳に届いて目を開けた。
あぁ……姿見ただけなのに、涙が溢れる。
やっぱり僕は
真杉とキスしたくなかったよ。
「…陽向さん」
「無理やりは良くないよー?弥生ちゃん号泣してるじゃん」
ヒナが僕たちに近付いて
真杉と僕の間に入ってきた。
ヒナから香る優しい香水の匂いに
安心感を覚える。
「なんで邪魔するんすか。陽向さんには関係ないことでしょう」