【BL】俺がお前にできること
真杉がいたって意味がない。
これは僕の問題であって
僕の気持ちで全て解決する。
真杉が懲りずに僕の手に触れる。
しかし僕が払いのける前にヒナが
真杉の手を払い落とした。
「だーかーら。気安く弥生ちゃんに触んなよ。汚れちゃうだろ?」
「は…はぁ!? なんすか、陽向さん。
さっきも言ったように弥生は……」
「そうだねー。確かに昔はそうだったけど、今はどう?俺はフツーに弥生ちゃん好きだし」
そう言ってヒナは僕を優しく抱き締めてくれた。
おそるおそる顔を見上げて
僕は安心した。
それと同時にヒナは言ったんだ。
「それと俺、弥生ちゃんを気持ち悪いとか一度も思ったことないから」
その時の表情に軽蔑や悲しみはなく、迷いもなかった。ただ、それだけが僕をまた溺れさせていく。
ぎゅっと抱き締めかえして
離れたくない、なんて……ほんと僕は
ばかだよね、ヒナ。