【BL】俺がお前にできること
そんな僕たちを見て
ギリッと歯を食い縛った真杉は
「あっそ。でも弥生。
また一人になったら、いつでも来いよ」
ニヤリ、と意味ありげに笑う真杉。
背筋が凍る。
真杉のこと、あまり知らなかったけど
今日の一件で嫌いになった。
もう絶対に
会いたくない……
「弥生ちゃん平気?」
真杉の姿も消え、辺りも静かになった頃
ヒナが優しく声をかけてくれた。
「はい、平気です。ありがとうございました…」
「…弥生、敬語やめろ。二人きりなんだから」
真剣な顔で君が言うものだから
ちょっぴりドキドキした。
先輩後輩を越えてもいい、そう言われた気がしたんだ。
「…ヒナがいなくても一人で、なんとかなったのに」
恥ずかしくって可愛くないこと、口走ってしまったけれどヒナはただ笑うだけ。