【BL】俺がお前にできること
「ほんと? なら助けなきゃよかったな」
「……でも」
「ん?」
「ぁ、…ありがとう。一応、助かった…し」
ぷいっと違う方向むいてぶっきらぼうに言って歩き出すとヒナに腕を引っ張られて前に進むことを阻まれた。
「じゃあ、日曜日デートしよ?
お礼だけじゃ足りない」
ニコッと昔のように笑うものだから
あまりに
君が優しくするから
僕はまた、間違えてしまったのかもしれない。
「…いいよ」
それでも僕は
ヒナがフツーに接してくれることが
どうしようもなく嬉しかったんだ。
こうやって、前のように
戻れたなら
僕はたとえ報われなかった恋を忘れられなくても、笑っていけるんじゃないかって
憂鬱な日々から、やっと
そう思えるようになったんだよ?