【BL】俺がお前にできること
「あ、しょーた」
間延びした喋り方に柔らかい声。
振り向いて、ソイツが女みたいなヤツだったので確証した。
「…弥生」
…と、陽向先輩?
弥生の隣にはキラキラと輝くオーラを放つ陽向先輩がいた。
てか………
「陽向先輩と弥生が何で一緒にいるんですか?」
そう言ったのは、俺ではない。
その言葉を先に言ったのは郁馬だった。
うん、俺も気になった。
だって弥生は先輩をあまり好んでなかったし。
「んーとね、なんてゆーか……デート?」
ええぇ!?デート?
なに陽向先輩、当たり前みたいに言ってんの?
つか、そーゆうのってニコニコ笑いながら言えること?
俺と郁馬が驚いた顔で二人を見つめると
弥生が機嫌悪そうに弁解してきた。
「そんなわけないでしょ。先輩のバッシュー買いに来てただけ。変な誤解しないで」
「あ、だ、だよなー」
あはは、と俺は笑い、納得すると同時に
残念にも思った。
だよな。身近に
俺と同じ部類、しかもカップルがいるわけないよな。