【BL】俺がお前にできること
下向いて、考えを改めていると
ぎゅうっと真っ正面から抱き締められた。
「しょーたはさ、」
耳元で話す弥生の落ち着いた声は
妙に色気があった。
「郁馬とデート、してるの?」
首に腕回して密着しながら、そんな話。
弥生は絶対に気づいてる。
「んな訳ないだろ。よく見ろ。両方、男」
「なあーんだ。違うんだ」
にこり、と意味ありげに弥生は笑った。
すべてを見透かされた瞳が、こわい。
その時だった。
一瞬にして弥生が俺から離れていくのは。
てゆーか後ろに倒れこむように。