【BL】俺がお前にできること
もしも、お前が俺と同じものを持ってるなら
俺は今すぐにでも
お前に好きを伝えるだろう。
でも、お前のは違う。
だから
「大丈夫。それって友達が取られるって感じの子供心からの嫉妬だろ?」
…だから、俺はお前に誘導はしない。
お前をコッチの世界には連れていきたくない。
「でも……」
「鈴に告白する前も、そんなこと言ってたじゃん」
「あ、妬けるってやつ?…あぁーそうか……そうか。確かにそうだな。ありがとう、翔太」
もやもやが取り除けたように、郁馬は穏やかな顔をして言った。
それでも、お前が俺に触れたいと無意識に思ってくれたことは事実なのに変わりはない。
だからね?
俺、けっこう嬉しいんだよ?
たとえ、それが
子供のような嫉妬であったとしても。
そう確証するのは
きっと郁馬の寝言のせいだ。
《ん………すー…ちゃ、ん……》
まだ、お前の中には
確かに俺じゃなく、鈴がいる。