小悪魔wolf×天然bunny
―――――――……
「春川蘭いいます。よろしゅう頼みますわ。」
ぺこっ。
礼儀正しく頭下げる春川くん。
凛とした雰囲気とは反対に気さくな関西弁。
………これがギャップ萌えっていうやつなのかな。
「あ、八神杏実です!よ、よろしくね…」
ぺこっ。
つられて、あんも頭を下げた。
「……納得できない。」
むすっとした表情で口を尖らせているリコ。
「…来ないでって言ったのに。」
どうやらリコは、春川くんにこの学校には入学しないことを約束させたらしい。
「しゃあないやろ。オカンが、ここにせぇ、言うたんやから。」
「……蘭ママが言ったんならしょうがないけど!」
「もう、何やねん。」
はぁ、と深いため息をつく春川くんは、
「っちゅうか、自分も自己紹介せぇや。してへんの、お前だけやで。」
そう言って隣にいた佐野くんの肩を押した。
「えー……しなきゃダメ?ってゆーか、この人、僕のこと知ってるし。」
びしっと指を指され、なぜか戸惑う。
いや、知ってるけど…!!
「ね、八神先輩?」
ニコッ。
「っ……う、うん。」
何だ今の笑顔!!
佐野くん、本当に男子なの!?
か、可愛すぎるっ……。
ひょっとしたら、女子のあんよりも可愛いんじゃ…。