幕末桜
それから土方さんと近藤さんはお仕事。

山南さんと斎藤さんは夕餉の当番でそれぞれ部屋を出ていった。

(あーあ、暇だなぁ…)

寝ようにも眠れないし…

何してよー…。

すると、足音が聞こえてきた。

ん?もしかして、沖田さん?

すると襖が開いて、私の予想していた通り沖田さんが入ってきた。

「土方さん、すいません。少し遅くな………っ!!!!

……ちょ、うちゃん…?」

「はいっ!お帰りなさい、沖田さ……って沖田さん、髪っ…」

長くて上の方でポニーテールだった沖田さんの髪はバッサリ切ってあって…

現代の普通の男子のように短くなっていた。

(かっ…かっこいい…)

そしてその沖田さんは目を丸くして襖のとこに突っ立ったまま動かない。

「…あ、あの…。お、沖田さん…?」

「…もう…」

「え?…ど、どうかしまし…」

ギュッ。

私が言い終わるより早く沖田さんはギュッと私をきつく抱きしめた。

「…え、あの沖「良かった…」

「…もう君と二度と会えなくなるかと思った……」


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