幕末桜

「沖田さんっ！！」

店を出てすぐに、僕の名を呼ぶ大きな声がした。

「やぁ、みゆきちゃん」

みゆきちゃんは此処のご主人と女将さんの一人娘でこの店の看板娘だ。

（今日も元気だなぁ……）

「こんばんわっ！！沖田さん！！いつもありがとうございます」

「いや、僕が此処に来たいから来るんだよ。

礼を言いたいのは僕の方だ。ありがとう、みゆきちゃん」

何しろ僕は甘味が無いと生きていけないからね♪

するとみゆきちゃんは頬を赤く染めた。

（……？）

「おっ沖田さんっ！！送って行きますっ！！」

…相変わらず面白い子だ。

「いや、みゆきちゃん。それは普通男が言う台詞でしょ……

でもありがとう。気持ちだけ受け取っておくね」

するとみゆきちゃんはまた頬を染めた。