幕末桜
…蝶ちゃん、帰る家が無いって訳だ。

一気に気が舞い上がって来た。

「ならば屯所に来ればいい」

思わずそう口にしていた。

土方さんもこんな綺麗な人を此処に置いてきぼりにするなんぞ
考えて無いだろう。

僕は蝶ちゃんの手を引っ張って屯所に向かって走り出した。

……すると……

木の陰から複数の気配がした。

あーあ…

蝶ちゃんがいるのに、な

僕は蝶ちゃんを陰に隠し、刀を抜いた。

切り掛かって来る敵に次々に峰打ちをくらわす。

…最後の一人。

とそこで土方さんが切り掛かって来た敵を避けるさい、肩にかすり傷を負ったのが見えた。

僕は最後の一人の足を切り、峰打ちをくらわした。
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