幕末桜
「はい。よろしくお願いします」

えっーとたしかこの人は……

さっき土方さんが『山崎』って言ってたような……

山崎ってたしか…

私は幕末にタイムスリップする前に読んだあの本の事を思い出した。

あっそうだ。

監察方、山崎丞。

名前は覚えてたけど、監察方ってどんな仕事をするかは正直理解不能。

「おっと自己紹介がまだやったな。失敬、失敬。

俺は監察方の山崎丞っちゅうもんやっ!!
よろしゅうたのんまっせ」

モロ関西弁のその人がそう言った。

「はい。よろしくお願いしますっ!!えっーと私は…」

『桜海蝶』と言おうとすると山崎さんが

「知ってんで〜。桜海蝶ちゃんやろ?新撰組は今、蝶ちゃんの事で持ち切りやさかいな。それやし土方さんから聞いとうから。

未来からきたんやろ?大変やったなぁ。まっもう安心しときや。新撰組の奴らは皆ええやつやからなぁ………」

それから私達は山崎さんの新撰組自慢話にあと1時間ほどつき合わされたのであった。

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