【コラボ】パラレル・ラブストーリー
実際、瑛は困っていた。
オーランドがまりあにベタベタと触れて、それに無性に腹が立った。
しかも、まりあを助けようとしたのに、逆に泣かせてしまった。
『まりあちゃんのこと、好きなんか?』
肯定など、できるわけがなかった。
ずっと、気づかないようにしてきたのに。
嫌われている自分が、彼女を困らせてはいけないのに。
鈍く痛む胸で、やっと否定したのに。
何故かその直後、まりあは泣き出してしまった。
いったい、どうしたと言うんだろう。
彼女も、彼女を連れて逃げてしまった自分も。
目の前で泣いているまりあに、どうして良いかわからない。
瑛は考えたあげく、その頭をなでた。
それしか、できなかった。
子供にするように、何度も、優しくなでる。
艶やかな黒髪の上を、自分の白い手が力なく滑っていった。