【コラボ】パラレル・ラブストーリー
不満そうな声を出した神無に、龍真も同調した。
「そうですか?」
「そうやろ。なんや、キミら知らんのかい」
「どういうことですかっ?」
「瑛は、県外の大学受けるんや。
めっちゃレベル高いけど、多分あいつなら受かるやろ」
「え……っ!!」
神無は絶句した。
そういえば、一度瑛に志望校はどこかと聞いたことがある。
正しくは、他の後輩が聞いたのだけど。
瑛は、「落ちたらバカにするだろ?」とはぐらかし、誰にも教えてくれなかった。
「あいつは意外に優しいとこあるからな。
自分からは、言い出せんで」
神無は泣きそうな顔になり、双眼鏡を持つ手がだらりと下がってしまった。
龍真も、途端に悲しくなった。