【コラボ】パラレル・ラブストーリー
ん?と、瑛は首をかしげた。
まだいまいちわかっていないようだ。
また涙がせりあがってくるのをこらえながら、まりあは息を吸った。
「先輩が好きです」
一気に言い切った。
頑張ったのに、ありえないくらい声が震えた。
「だから、好きじゃないって言われて、悲しかったです」
見上げた瑛は、紫色の目を丸くして、声を失っていた。
ああ、こんな顔もするんだ。
まりあはそんなことを思った。
「……って、ない」
「え?」
「俺は、『好きじゃない』なんて、言ってない。
あれは売り言葉に買い言葉というか、その……
とにかく、お前のことを嫌いだなんて、思ってない」
ぽつりぽつりと言葉をつむぐ瑛の頬が、心なしか赤い気がする。
不思議な気持ちで、まりあは彼を見上げた。