【コラボ】パラレル・ラブストーリー
2.誤解が誤解を呼んで
「……っ……」
「安城!」
学校から飛び出し、自宅に向かって走る手を、後からつかまれた。
まりあがふりむくと、そこには風で髪の毛が乱れてしまったイケメンがいた。
龍真だ。
龍真は息を切らし、まりあを見つめる。
「……龍真くん……」
「お前、意外と、足速いのな」
「どうして……神無はいいの……?」
「いいよ、今日だけは。
ちょっと、落ち着けるとこ行こうぜ」
「でも……」
「仲間が泣いてるのに、放っておけないだろ」
龍真はくしゃりと笑いかけた。
まりあはその笑顔に、ますます胸が潰れるような思いがした。
龍真だって、辛いはずなのに。
優しくするのは、神無だけでいいのに。