【コラボ】パラレル・ラブストーリー
「俺は、第一志望に受かったら、この町から遠く離れることになる」
「…………?」
瑛の口から続いた意外な言葉に、まりあは思わず顔を上げてしまった。
そこには申し訳なさそうに自分を見つめる瑛の顔があった。
「……受かるかはわからないけれど」
そんなわけない。
瑛は天才的に頭が良いのだし、それに慢心せず、ずっと努力を続けてきた。
まりあはそんな姿を見続けてきた。
自分に厳しい瑛の姿が、好きだった。
彼はきっと、国内一の難関だって、通過してしまうだろう。
「……受験まで忙しいし、もし決まったらさらに忙しくなる。
春になれば、一年に何度も会えなくなる……」
「…………」
「そんな俺に貴重な時間を使わないで、お前はそばにいてくれる人間を探した方が────」