【コラボ】パラレル・ラブストーリー


「うわぁぁ、素敵だねぇぇ……」


「ああ、すごいな……」


「うう、近づけないよー」


「見物人が多すぎるよな」



自分だってその見物人の一人のくせに。


神無は笑ってしまった。



「あの、写真撮ってもらえませんか」



不意に見知らぬカップルに声をかけられる。


快くカメラを受け取った龍真は、彼らを器用にフレームにおさめた。



「もし良かったら、撮りますけど」



カップルがお返しに、とそう提案してくる。


神無が戸惑っているうちに、龍真が自分のスマホを彼らに差し出した。



「よろしくお願いします」



そう言うと、神無の手を引き、肩を抱いた。


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