【コラボ】パラレル・ラブストーリー
さて、どうしたものか。
龍真は空を見上げた。
胸の中で泣くまりあは気づいていないが、通行人が好奇の眼差しを容赦なく投げつけてくる。
明日から学校で噂になってしまったりしたら、まりあは余計に傷つくだろう。
しかし、こんなに頼りない彼女を放っておくわけにもいかないし、
無理矢理歩かせるのも可哀想だ。
困り果てていると、胸の中からまりあが顔を上げた。
「落ち着いた……ありがとう、龍真くん」
「もう?大丈夫か?」
「うん……大丈夫ではないけど、路上はまずいよね」
せっかくくるんと上げていたまつ毛は、無残に下に下りてしまっている。
それでも無理に微笑むまりあに、龍真は胸が締め付けられた。
無理なんか、しなくてもいいのに……
俺が困っているのが、わかったんだろうな。