【コラボ】パラレル・ラブストーリー
右手の薬指は、『恋人がいます』のしるし。
そんなこと、よく知っていたものだ。
オーランドか龍真の入れ知恵を受けたのだろうか。
まりあは不思議な気持ちで、その指輪を見つめた。
「……それって、あたしを誰にもとられたくないってことですか?」
「ああ」
ぐ、とまりあの胸に何かが込み上げた。
じわ、と目頭が熱くなる。
(──嬉しい……)
瑛はいつも冷静で、何を考えているかよくわからなくて。
情けないことに、本当に自分を好きでいてくれるのかも、まだよくわからなくて。
そんな状態で、今日の夕方になれば、自分はここから遠く離れた地元に帰り、遠距離恋愛が始まってしまうわけで。
すごく、不安だったのだ。