【コラボ】パラレル・ラブストーリー
1.いきなり4角関係。
頬に当たる風の冷たさを、やっと感じられる季節になった。
安城まりあは、ある決意を胸に、廊下を歩く。
もう何回もトイレでチェックした自慢のロングヘアーを、飽きずに手ぐしでとかしながら。
髪を整えているわけではない。
ただ落ち着かないから、なんとなくいじってしまうのだ。
自分でも悪いくせだと思っているのに、今日はその指を止めることができなかった。
ああ、緊張する……
ただ、生徒会室に行くだけなのに。
ただ、岡崎先輩に、冬休みの予定を、ちょっと聞くだけ……
「あ」
「安城。まだいたのか?」
生徒会室の手前で発見したのは、隣のクラスの坂下龍真だった。
背が高く、端整な顔立ちをした彼は、どこにいてもすぐにわかる。