【コラボ】パラレル・ラブストーリー
オーランドはふざけて、瑛の頬にキスをした。
女子の黄色い悲鳴が上がる。
一瞬、何が起こったかわからず、瑛の紫色の瞳は何度かまばたきをし……
「……成敗っ!!」
突然その拳が、オーランドの腹にめり込んだ。
「証拠が残らん場所を狙うなんて……さすが、受験生やな……」
どさり。
オーランドは意味のわからない台詞を吐きながら、その場に倒れこんだ。
「けっこうな事じゃないか。
俺には関係ないがな」
瑛は吐き捨て、本に向き合う。
その本が逆さまであることに、誰もが恐怖でツッコめずにいた。
(けっこうな、ことだ)
白昼堂々というのはいただけないが、
健康な十代なのだから、坂下だって安城だって、そういった可能性はあったのだ。
ただ、自分が予想しなかっただけで。