【コラボ】パラレル・ラブストーリー
いや、神無は獣というより、小動物だが……
「今から神無の家たずねよーかと思ってさ。
メールも返ってこないから。
あんたも行く?」
清良がスマホをいじりながら言う。
自分だけか、ケータイ禁止令を真面目に守ってるの……
龍真はまりあの方を見た。
彼女は他の二人とは違い、すがるような目で龍真に訴えた。
その指先は、龍真の制服の袖をつまんでいる。
「あの……龍真くん、神無に会ってくれないかな?」
「俺が?」
「きっと神無、一番龍真くんに会いたいと思うの」
「どうして?」
「ただの勘だけど……そう思うの」
そう言うと、まりあはうつむいてしまった。
長いまつ毛が、頬に影を作る。
「わかった、家に行ってみる」
龍真が決心すると、まりあはやっと顔を上げて、にこりと笑った。