【コラボ】パラレル・ラブストーリー
(ばかばかしい)
瑛は校門へ消えていくまりあ達の背中を見送りながら、頭を振った。
自分はもうすぐ、卒業なのだ。
そして、坂下という後輩が彼女の横にいるならば。
今さら、自分が彼女にしてやれることなどない。
良かったじゃないか。
朝はそう思えたはずだった。
まりあが幸せなら、それで──
「ん?」
ぼんやりしていると、校門の方から今見送ったばかりの影が走って来るのが見えた。
長い髪を風になびかせているのは、間違いなく……
「安城?」
「!?」
瑛が思わず声をかけてしまい、まりあは渡り廊下の瑛の方を見て硬直した。