【コラボ】パラレル・ラブストーリー
4.神無と龍真
そんなこととはつゆ知らず、龍真は神無のマンションに向かっていた。
龍真は一度だけ、神無を文化祭で遅くなった時に、そこまで送っていったことがある。
その記憶をたぐりよせて。
あの時はエントランスの前までだったが、今回はあの女友達3人に、部屋の番号をしっかり聞いてきた。
(ついた……)
龍真は深く息を吸い、呼吸を整えた。
そして、エントランスでインターホンのボタンを押そうとした途端……
背後に、人の気配を感じた。
ふと振り返ると、そこにいたのは……
「あ」
神無の兄、裕也だった。
「お前……見たことあるな」
龍真は思わずため息をつきそうになった。
「こんにちわ。
坂下といいます。
神無さんとは同じ生徒会の役員で……」
「あーっ!!」