【コラボ】パラレル・ラブストーリー
裕也は龍真を指差し、大声を上げた。
一度だけ会ったときの記憶を思い出したのだ。
龍真が神無を送り届けた時のこと……
遅くなった神無を心配した裕也は、エントランスの前でウロウロしていた。
やがて神無の姿を認めると、
『心配したじゃないかあっ!!
愛しのマイスイートハー』
ト、と言い切る前に、裕也は神無の拳で吹き飛ばされた。
「あの時……神無の後についてきてたストーカーだな!!」
「いや、どう考えればそう解釈できるんですか」
「うるさいっ!!自宅にまで押しかけて、何の用だコラァ!!」
裕也は敵意をむき出しに、龍真に詰め寄る。
(参ったな……)
この難関があることを忘れていた。
顔は神無の兄だけあって、整っているのに、なんと残念な人なんだろう……。