【コラボ】パラレル・ラブストーリー


瑛は神無の異変に気づき、目薬は持っていないかと言った。


しかし神無はそれを持っていなかった。


次に、では、顔を洗ってこいと言われた。


しかし、それもできなかった。


これから龍真に会うのに、瑠美に薄くはたいてもらったパウダーが流れてしまうし、前髪だってぐちゃぐちゃになってしまう。


瑛は理由は聞かなかったが、小さくため息をつき……


あの方法で、まつげを取ってくれたのだ。


神無に目をつぶらせ、舌でアイラインを引くように。


しかし、今思い返せばなんと恥ずかしい出来事だったんだろう。


まりあ、ごめん……。


神無はまた、心の中で謝った。



「あう……」


「お前、また思考が飛んでるだろ」


「はうっ!!」


「いい加減、俺のことを見ろよ」



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