【コラボ】パラレル・ラブストーリー
思わずそちらを見ると、まりあはその大きな目に涙をいっぱいためて、声を出さないように口を抑えていた。
「……まりあ!?」
こちらに気づいた神無が、名前を呼ぶ。
それと同時に、まりあは走って部屋を出て行ってしまった。
「安城……!」
よほど、ショックだったのだろう。
でも、俺もどうしていいかわからない……
龍真は、唇を噛み締める。
愛しい神無の頬はピンク色に染まり、メガネを外した裸の瞳が潤んでいた。
そんな顔をさせたのが自分でないことに、行き場のない怒りを感じる。
「……龍真、」
「……悪い、俺、行くわ」
「龍真……!」
神無の顔を見ないように、龍真はまりあのあとを追った。
放ってはおけない。
彼女はきっと、一人で泣いているのだから。