【コラボ】パラレル・ラブストーリー
気づいた時にはもう、イスを蹴り飛ばしていた。
「先輩、安城のこと、」
「……妙に腹が立つんだ」
「はい?」
「あいつのことを思うと、イライラする。
だからあまり、考えさせないで欲しい」
じゃあ、と瑛は教室に帰ろうとする。
その手を龍真がつかんだ。
「なんなんだ」
「なんでイライラするんですか?
安城、先輩を怒らせるようなことしましたか?」
「別に……そんなことは、ないが」
瑛は困り果てていた。
自分がしてしまったことに対しての気持ちの整理がついていないのに、龍真に質問攻めにされている。
しかもその質問の意図がわからない。
また、その答えも、自分の中で出ていない。