【コラボ】パラレル・ラブストーリー
「いこ、まりあ」
「うん」
そうして二人は教室を出た。
階段を降り、下駄箱の前にさしかかったとき……
まりあは、あ、と声が出そうになった。
偶然にも、瑛とオーランドが通りかかったのだ。
「せ、先輩っ。こんにちわ!」
神無は緊張したように挨拶をする。
それはそうだ。
無視するほうがおかしい。
しかしまりあは目をそらし、会釈するだけにとどめた。
どう声をかけていいかわからなかったから。
「……ああ」
瑛の素っ気無い返事だけが、まりあの耳に届いた。
早くこの場を立ち去りたい。
そんな思いは、瑛の連れによって阻まれる。