【コラボ】パラレル・ラブストーリー


「先輩、今の……」



神無は震える声で、瑛に話しかける。



「見られた、みたいだな」


「ほ、ほえええええ!!」



冷静な瑛とは逆に、神無は頭を抱えてうずくまってしまう。


まさか、まりあと龍真にあんな現場を見られてしまうとは……!



「ど、どうしよぉ……困ったよぉ……」


「……坂下はお前がフォローしろ。

しかし、安城はどうしたものか……」


「ほえっ?」


「なんで安城が走って逃げたのか、わからない」


「あ、あなたはバカですかぁぁぁぁっ!!」



罵られても、瑛はきょとんとしていた。


ああ、まりあ、ごめん。


この人、本当に気づいてないみたい……。



「あのですねえ!」


神無は龍真へのフォローを忘れ、その作り物みたいな顔の瑛に、説得を開始した。


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