【コラボ】パラレル・ラブストーリー


まりあはなにがなんだかわからないまま、強引に走らされて、すぐに息が切れた。


瑛は校舎の角を曲がると、空き教室にまりあを連れ込んだ。


しかし、追ってくるオーランドの足音が容赦なく近づいてくる。



「ちっ……!!」



瑛は舌打ちすると、まりあを自分の胸に引き寄せ……


強引に、教卓の中へ二人分の体を押し込んだ。



「!!」



まりあの心臓は破裂しそうなほど、膨れ上がる。


教卓の中では、瑛の手が自分を強く抱きしめるようにしていて、その膝の上に座るような形になってしまっていたからだ。


どくん、どくんとうるさいほどの鼓動が、


うぬぼれでなければ、二人分……


まりあの耳に届いた。






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