運命鑑定
「美紅...。 何か、センパイといろいろあったの?
悩んでたなら、叶華に相談してほしかったよ...」
この一言を言ってしまえば、あたしも叶華もスッキリする。
あたしは、キレイサッパリにセンパイのことを忘れることができる。
叶華はあたしのことを考えないで、センパイを想うことができる。
...だから、言おう。
「...叶華。何もないから。
ただ、センパイのことが好きじゃなくな...」
――ガタッ!!
あたしの言葉を遮るように、大きな音を立てて席を立ったのは、さっきまで無言でいた、愛斗だった。
そして、あたしをキッと睨んで力強く言った。
「...美紅ちゃん。
美紅ちゃんは、僕の兄さんと遊び半分で付き合ってたの?
ひどいね。
...そんな人だとは思わなかった」
普段、全く怒らない愛斗が見せた表情と、1つ1つの言葉が胸に刺さる。
あたしがその言葉に何も返せずにいると、「叶華ちゃん、帰ろう?」と普段通りの声で言った愛斗は叶華と一緒にリビングから出ていった。