運命鑑定




チッ...チッ...チッ



時計の針の音だけが、聞こえる。



静かになった部屋で1人、愛斗に言われた言葉にショックを受けていた。



『遊び半分で付き合ってたの?』




...そんなわけないじゃん。



遊び半分なわけ、ないじゃん。



ほら、昨日のお母さんに言われた言葉、そのまんま。



『美紅は、自分の気持ちに嘘をつかないで、素直になった方がいいよ』



お母さんがくれた言葉を1日でムダにしてしまった。



ごめんね、お母さん。



1つの涙が頬を伝う。



この涙は、何の涙?



悔しいから? 悲しいから?


自分の気持ちを分かってくれないから?




俯いていたあたしの目に涙がとめどなく溢れて、椅子に座っているあたしの太ももに落ちた。



...悔しいよ。


...悲しいよ。



...会いたいよ。



.........センパイ。






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