運命鑑定
「でもさ...叶華ちゃん本人に、僕の兄さんのことが好き、って聞いたわけじゃないんでしょ?」
愛斗が、当たり前と言えば当たり前の質問をする。
それに対して、目線を愛斗からずらしながら
「...うん。
でも、愛斗と付き合った理由は聞いた。
...教えてくれなかったけど」
と言った。
それきり、あたしも愛斗も無言になってしまった。
そして、ちょうどタイミングを合わせたように、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「 叶華ちゃんに確かめてよ。
叶華ちゃんが、本当に兄さんのことが好きなのか。
美紅ちゃん自身の、目で、耳で、口で」
そう言い残して、大きな音をたてて屋上のドアから出ていく愛斗。
そして1人、取り残されたあたしは、その場に座り込んでボーッとしていた。