運命鑑定




声を出す間もないまま、あたしの視界は再び真っ暗になった。



でも、次はセンパイの手じゃなく、制服のワイシャツだった。



「嬉しすぎて、今俺、顔変だから...!!」



その言葉が、鼻にツンとくる。


そして涙が、じわりとセンパイのワイシャツを濡らした。



「センパイ...付き合ってください」



気付いたら言っていた。


あたしがセンパイに告白されたところで。


学校の屋上で、抱き合ったまま、それも授業中に。



はたから見たら、『なんだコイツら』って思われるかもしれないけど。


あたしは、それでいい。


クールという他人からの見た目なんていらない。





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