運命鑑定
全く忙しい子、と心中で呟きながらもあたしは気になったのか、「で、誰なの ?」と聞いていた。
「えっとねー!! 前川愛斗(マエカワマナト)」
よくぞ聞いてくれました!! とでも言いたげな顔で答える叶華。
でもごめん。
「...誰? 聞いたことない。」
よく小説とかマンガである、超イケメンで 、長身で俺様系なセンパイ、とか言ったら どうしよう、病院でも連れていった方がいい?という心配は無駄となり。
「あー、逆に知ってたらびっくり。同学年 だけど他クラスだし、地味って言われてるもん」
叶華にしては意外。
茶髪にカールがかかってふんわりした髪の毛にピアスをしている叶華の彼氏、なんて聞いたら、そっち系の人しか思い浮かばなかったし。
って思ったのは心の中だけで口にはださないのがあたし。
その代わり口から出る言葉が「ふーん」と言う一言だけ。
「え。それで質問終わり!?」
他に何を聞けばいいんだろう?
いつ別れるのか、とか?
うーん、と頭をかしげていると。
「どうやって付き合ったか教えてほしい?」
これは断ったら泣かれちゃうパターンだな、と即座に理解したあたしは首を縦にふった。
「やっぱり!?聞きたいよねっ!美紅だけに教えてあげる」
と叶華がニコニコ笑顔であたしに見せたのは、携帯の画面だった。