運命鑑定
「あのっ...!! センパイ...」
あたしがセンパイを呼ぶと、センパイは一拍あけて、振り向いた。
あたしの見たことがないセンパイの不機嫌な表情に、申し訳ない気持ちが高まる。
「初デートなのに、遅れてすみません...」
精一杯の謝罪の気持ちを込めて、頭を下げたあたしにセンパイは言った。
「俺さーっ......ちょー心配したんだよ!?」
あたしがゆっくりと顔をあげると、そこにはいつものセンパイがいた。
「待ち合わせ時間が過ぎて、いつまで経っても美紅ちゃんは来ないし!!
すっぽかされちゃったのかと思ったし!!
他の男と遊びに行ってたらどうしようとか思ったし!! 」
そう言い終わったセンパイは、息が切れたのかハーハーしながら、あたしを睨んだ。
もう、怖くなかった。
あたしは、センパイに1歩近付いた。