運命鑑定




「あー!! 超楽しいっ!!」


にこにこ笑顔で、子供のようにはしゃぎまわるセンパイ。


それに対して、げっそりとしているあたし。


「もう、疲れました...」


センパイったら、あれ乗ろう、これ乗ろうと行ったり来たり。


ジェットコースターとか、観覧車とか、苦手じゃないあたしでも、流石にもう乗りたくない。



センパイは、休憩という言葉を知らないみたいで、とっくに昼は過ぎているのに、ごはんも食べていないし。



あたしなんか、寝坊したせいで朝ごはんも食べてきていないから、お腹が限界だ。



「あのー...センパイ? お昼、食べませんか...?」



あたしが、まだ遊ぶ気満々のセンパイに、あまり出さない大きい声でそう呼び掛けると...



「ねー!! バイキング行こうよ!!」



センパイの大きい声が聞こえた。



嬉しいと答えるように、あたしのお腹が小さく鳴った。と同時にあたしはセンパイのところに小走りで行った。



何食べようかなーなんて考えながら、頭の中は美味しい食べ物でいっぱいだったあたしは、センパイの「着いたよ」の声ではっとした。




目の前に広がるのは...なんとも美味しそうな料理達...ではなく、遊園地で人気な、あの大きな船のアトラクションだった。




「ほらっ!! 乗ろーよ!!」



センパイが笑顔であたしに言った。



あたしは無言でセンパイに手を振ったのだった。




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