運命鑑定
「...キライじゃない...です」
精一杯、顔が赤くなるのを抑えながら言った一言に...
センパイは満足してくれなかった。
「キライじゃない、ってどーゆーこと? もっと分かりやすくっ!!」
――『好きです』
あたしは、その言葉を飲み込んだ。
言えなかったのではなく、言わなかっただけ。
その言葉を言ってしまうと、あたしの決意が鈍ってしまう。
...そんな気がして。
「...キライじゃない、はキライじゃないっていう意味です」
本当は、自信を持って『好き』って言いたい。
それを隠して、言ったあたしに「そっか」とセンパイは頷く。
「じゃあ、手を繋ぐのは、美紅ちゃんの心の準備ができたときにね」
そう言って微笑んだセンパイを見て、胸がチクッと傷んだ。
―――センパイ、こんな彼女でごめんなさい。
そう心で呟いた。