運命鑑定
その手を握ると、センパイの手とは違うな...と考えているあたしがいた。
......センパイ...。
涙がまた、じわりと滲む。
涙のせいで歪む視界の中、まるで生まれたての小鹿のように震える足で立って、リビングまで歩いた。
「今、温かいミルクいれてあげる」
お母さんがそう言ったので、あたしは椅子に座り涙を拭いた。
「―なんで玄関なんかにいたの?」
目の前の机に湯気がゆらゆらとでてくるカップが置かれ、隣にお母さんが座った。
「...うん、ちょっと、ね」
あたしは、下を向きながら言った。
ふと、沈黙が訪れる。
するとお母さんが、ミルクをズズズ...と啜り、言った。
「...美紅、泣いてるの?」
「...え?」
ツーと温かいものが頬に伝った。
「あれっ...な、んでだろ...」
手で、涙をぬぐってもぬぐっても、溢れだして止まらない。
「何があったのか分からないけど、泣きたいときは、泣きなさい」
あたしは、そのとき心のなかで何かが弾けた。
優しい笑顔のお母さんの胸に顔を埋めて
大声を出して泣いた。