運命鑑定
そしてあたしは全てを話した。
『運命鑑定』を知ったこと。
センパイと出会ったこと。
叶華の好きな人を知ってしまったこと。
それがセンパイだったこと。
そして...、叶華のためを思ってセンパイと別れたこと。
泣いて、ときどき嗚咽を洩らしながら話すあたしに、お母さんはウンウンと頷いて小さな手であたしの頭を撫でた。
「ごめんね、ごめんね。美紅。
今まで、こうやって相談にのってあげることができなくて、ごめんね」
「ッ...う...ううん。 だ、いじょう...ぶだから。
お...母さ、んのせい、じゃない」
お父さんが他の女と知らないところで暮らしている今、お母さんは1人でこの家を養っている。
そのため、朝、昼、晩と仕事三昧で夜中に家に帰ってくる生活をしていたのだった。
だから、お母さんがあたしに構えないのも当たり前。
昔はそんなお母さんに嫌気が差したこともあった。
『なんでお母さんは仕事ばっかりなの。 なんであたしと遊んでくれないの』って。
でも、今は分かるよ。
お母さんの気持ち。
すると、まるであたしの心の声が聞こえたのかのように、お母さんは言った。
「うん...うん。ありがとう。美紅」
お母さんはそのあと、「ほら、ミルク飲みなよ」ともう湯気がでてないミルクを渡してくれた。