運命鑑定
すっかり冷めてしまったミルクを飲み干し、少し落ち着いたあたしは、お母さんに聞いた。
「あたし...、どうしたらいいと思う?」
頬杖をついて考え出したお母さんは、ゆっくりと顔をあげた。
「美紅はね、自分の気持ちに嘘をつかないで、素直になったほうがいいよ」
そう言ってお母さんは椅子から立ち、「さーて、お風呂でも入ってこようかな」と明るく言った。
『...素直に』かぁ...。
その意味を考えながら、あたしもゆっくりと立ち、今日デートに持っていったかごバッグの中から弁当を取り出した。
蓋を開けるとポツンと半分だけ玉子焼きがあった。
ハート型にしておいたそれは、半分だけ残っているせいで、割れたハートに見えて余計に悲しくさせた。
口に入れると、...美味しくない。
あれだけ頑張って作ったのに...。
センパイの『おいしい!!』という言葉が耳に残って、無意識に涙がこぼれた。
「...ッ。おいしく、ないじゃん...。センパイの嘘つ、き...」