虹色青春物語。
私が頷いたのを確認すると、
「あ、じゃあ俺ちょっと用事あるからさ!」
と言って、座っていた机からぴょん、と下りると歩いて行こうとした。
「バイバイ」
私がそういうと、さっきと同じ笑顔で手を振って、歩き出す透。
その笑顔は本物?偽物?
私が不安そうな顔をしていたのか、奈保が話しかけてきた。
「未空、透となんかあったの?」
「え?ああ…いや、ちょっと…ね。」
「ふぅん?何かあったら言ってね!いつでも話聞くからさ!」
「奈保…ありがとう。」
奈保は私のささいな表情にもすぐ気が付いてくれる。でも、無理に聞き出したりしないで、私から話せるようになるまで待ってくれるんだ。奈保の優しさに少し泣きそうになった。
奈保に相談したい。
でも、まだ確かめてない。
しっかりしろ、自分!せめて放課後までは…。